子どもの目と光|研究データで読み解く、ブルーライトと演色性
子どもがスマートフォンやタブレット、学習用のデバイスに触れる時間は、年々長くなっています。同時に、家の照明の下で過ごす時間も、大人と同じくらい長いものです。
子どもの目にとって、「どんな光の中で過ごすか」は、見落とされがちですが大切なテーマです。この記事では、子どもの視環境に関わるデータを確認しながら、目に配慮した光の選び方を整理します。
データで見る、子どもの視力の現状
文部科学省の「学校保健統計調査」によると、裸眼視力が「1.0未満」の割合は、2023年で小学生 37.79%、中学生 60.93%、高校生 67.80% でした。学年が上がるほど、視力が低い子どもの割合は高くなっています。
視力の低下にはさまざまな要因があり、照明だけで説明できるものではありません。ただ、子どもが毎日長い時間を過ごす室内の「光環境」も、暮らしの中で見直せる要素のひとつです。
なぜ子どもの目は、光の影響を受けやすいのか
子どもの目は、大人とは構造が違います。大きな違いのひとつが、水晶体の透明度です。
大人の水晶体は加齢とともに少しずつ黄色みを帯び、短波長の光(ブルーライト)をある程度フィルタリングします。一方、子どもの水晶体は非常に透明で、光がほぼそのまま網膜に届きやすいと言われています。
だからこそ、デバイスの使用時間に気を配るだけでなく、部屋全体の光の質にも目を向ける価値があります。
子どもの部屋の光、どこを見る?
子どもが勉強したりくつろいだりする部屋の照明を選ぶとき、確認したいポイントを整理します。
- ブルーライトの安全性:国際規格 IEC 62471 の「RG分類」で、RG0(リスクフリー)が最も安全
- 演色性(Ra):太陽光が Ra100。Ra90以上、できれば Ra97 なら色が自然に見える
- まぶしさ(グレア):直視したときの不快感が少ない、光が均一な設計
- フリッカー(ちらつき):肉眼で見えないちらつきも、目の疲れにつながることがある
- 調光・調色:時間帯に合わせて明るさと色を変えられると、昼は活動的に、夜は控えめに使い分けられる
太陽光に近いスペクトルの光:公開されている研究データ
太陽光に近いスペクトルを再現した光については、大学の研究チームによる実験データが公開されています。lipro 製品が採用している太陽光スペクトル再現型のLED光源(Powered by SunLike)に関する、代表的な2つを条件とあわせて紹介します。
ソウル大学校医科大学の研究(2018年)
20歳から49歳の健康な成人34名を対象に、通常のLED照明と自然光スペクトルLED照明の環境で、視覚疲労や光への感受性などを比較した対照実験です。研究では、自然光スペクトルLEDを使用したグループは、一般照明のグループと比べて、目の疲労感に関する指標が良好だったと報告されています(研究では「約4.3倍の差」と表現されています)。
図表出典:Seoul Semiconductor「SunLike」公開資料(2018年発表)
バーゼル大学の研究(2019年・スイス)
19歳から35歳の15名を対象に、数週間にわたって目の快適さ・気分・覚醒・睡眠などを測定し、照明分野の学術誌 Lighting Research & Technology に掲載された研究です。この論文では、太陽光に近いスペクトルのLED環境で、視覚的な快適性の評価が高かったことが報告されています(研究では「約1.2倍」と表現されています)。
図表出典:Cajochen, C. et al. (2019) "Effect of daylight LED on visual comfort, melatonin, mood, waking performance and sleep", Lighting Research & Technology
データを読むときの注意
これらは特定の条件下で行われた研究の報告であり、すべての人に同じ変化があることを保証するものではありません。また、照明は医療機器ではなく、近視をはじめとする目の悩みの予防・治療を目的とするものではありません。視力や目の不調が気になる場合は、眼科などの専門家にご相談ください。
そのうえで、「どんな光の下で過ごすか」が目の快適さと無関係ではないことを、こうした研究は示しています。
子どもの部屋の光を整える、小さな工夫
- 勉強の時間は、白色(4000K前後)で部屋をしっかり明るく(lipro の「勉強モード」は4000K・白色)。さらに明るさが欲しい日中は昼白色(5000K)も
- 夕方〜夜は、あたたかい電球色(3000K前後)へ切り替えて控えめに
- 暗い部屋でデバイスを見せない。室内のあかりをつけた状態で使う
- 「目が疲れる」「文字がぼやける」などの訴えがあれば、光環境の見直しと眼科受診を
lipro の、目に配慮した光
lipro の太陽光シーリングライトは、上で紹介した研究で用いられたものと同種の、太陽光スペクトル再現型LED光源を採用しています。
- ブルーライト:RG0(IEC 62471、最も安全なリスクグループ)
- 演色性:Ra97(太陽光に近い、自然な色の見え方)
- フリッカーフリー設計・3000K〜5000K の調光・調色(勉強は白色4000K、就寝前は電球色3000Kへ)
子どもが毎日過ごす部屋だからこそ、光の質に目を向けてみてください。
まとめ
子どもの目は、大人より光の影響を受けやすいと言われています。デバイスの使用時間管理に加えて、毎日浴びる部屋の光の質——ブルーライトの安全性、演色性、まぶしさ、ちらつき——に配慮することが、子どもの視環境を整える第一歩です。
照明は近視を予防・治療する道具ではありません。けれど、目にやさしい光環境を整えることは、今日から家庭でできる工夫です。
参考情報
- 文部科学省「学校保健統計調査」(2023年度)
- Seoul Semiconductor「SunLike」公開資料(ソウル大学校医科大学の臨床試験・2018年)
businesswire.com(英語) - Cajochen, C. et al. (2019) "Effect of daylight LED on visual comfort, melatonin, mood, waking performance and sleep", Lighting Research & Technology
journals.sagepub.com(英語)



